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今回ご紹介するのは、高橋ユキさんの「つけびの村 噂が5人を殺したのか?」です。
つけびの村 噂が5人を殺したのか?
目次
・基本情報
・この本を読もうと思ったわけ
・内容紹介
・ネタバレ
・この本で学んだこと
・まとめ
つけびの村の基本情報
発売日 2023.03.07
判型/頁 文庫判/336頁
ISBN 9784094072358
2013年7月、わずか12人が暮らす山口県の限界集落で、一晩のうちに5人が殺害され、2軒の家が燃やされる事件が発生した。
凶行に及んだ男が家のガラス窓に残した貼り紙に書かれてあった「つけびして 煙り喜ぶ 田舎者」。
メディアはこぞって「犯行予告」と騒いだが、真相は違った……。
気鋭のノンフィクションライターが、拡散された「うわさ話」を一歩ずつ、ひとつずつ地道に足でつぶし、閉ざされた村を行く。
目次
1:発生
2:夜這い
3:郷
4:ワタル
5:その父、保見友一
6:疑惑は静かに潜む
7:コープの寄り合い
8:保見家
9:うわさ
10:ワタルの現在
11:くねくね
12:書籍化の経緯
13:古老の巻
14:ふたたび郷へ
15:ことの真相
16:山の神様
17:春祭り
18:判決
新章:宇宙基地から左に回る
つけびの村を読もうと思ったわけ
以前ユーチューブで、山口連続殺人放火事件を特集したテレビ番組を見ました。
こうした事件は他の地方でも起きうると感じ、事件の経緯に興味を持ちました。
もっと詳しく知りたいと思い、この本を読みました。
つけびの村の内容紹介
ここの地域の特性じゃな、これは。
特性ちゅうのは……貧乏人の揃い、ちゅうたら大変失礼じゃけど、ここは、そんなに裕福な人が少なかったために、自分中心にしかものが考えられんかったちゅうことじゃな。
ここで生まれたものは皆、自分を中心にしかものを考えんじゃった。
自分さえよければ相手はどうなってもいい、という考え方で生活をして来たから、そういうふうなのが、あっちもこっちも、すべて、やることなすことすべて出ていた。(P.196)
うわさ話は我々にとって甘美な娯楽だ。
眉をひそめながら小声で話していても、その心は踊り、どこか興奮している。
うわさ話を重ねながら、人は秘密を共有した気になり、結束を固め、ときに優越感に浸る。(略)
メディアやSNSからこの事件のうわさを得る我々と、「コープの寄り合い」に集まり、うわさ話を仕入れていた村人たちに、はたして何の違いがあるだろうか。(P.294)
つけびの村のネタバレ
保見死刑囚は妄想性障害を患っており、本人の口から事件の真実を聞くことはできなかった。
彼はこの事件は警察・検察のでっちあげだと信じており、犯した罪について反省もしていなかった。
ただ事件が起きた地区では、地元住民たちが色々な噂話をしていたのは事実だ。
保見死刑囚の攻撃的な性格と妄想性障害。
そして噂話が多い環境が影響し、今回の事件が起きたと考えられる。
つけびの村で学んだこと
人の噂をするのはダメ。
でも世の中には噂が好きな人もいる。
そういう人もいると知ったうえで、適切に人間関係を築く必要があると学びました。
結局はどこに住んでいても、噂をするしないのモラルの問題だと思いました。
つけびの村のまとめ
保見死刑囚の心の闇を探るというより、事件が起きた地区の空気を掘り下げた本です。
やや消化不良のところもありますが、これが地方のリアルなのかなと感じました。
ノンフィクションですが、小説のようなゾクゾク感がありました。
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