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今回ご紹介するのは、インベカヲリ★さんの「家族不適応殺 新幹線無差別殺傷犯、小島一朗の実像」です。
以下ネタバレありなのでご注意下さい。
家族不適応殺 新幹線無差別殺傷犯、小島一朗の実像(著:インベカヲリ★)
目次
・基本情報
・この本を読もうと思ったわけ
・内容紹介
・この本で学んだこと
・まとめ
「家族不適応殺」の基本情報
発売日:2021年09月29日
判型:四六判
商品形態:単行本
ページ数:296
ISBN:9784041109434
【目次】
序章 鞘─―刑務所に入る夢を叶えた男
第一章 心――写真家が人殺しに興味を持つ理由
第二章 偏―─歩み寄る難しさ
第三章 記―─「むしゃくしゃしてやった、誰でもよかった」の真相
第四章 凶―─餓死することを止め、生きる選択をした
第五章 会―─アクリル板越しの作り笑顔
第六章 家―─浮かび上がるいい子
第七章 迷―─食い違う家族の言い分
第八章 裁―─真実が語られない虚無な裁判
第九章 答――刑務所でしか手に入らないもの─
第十章 辿―─犯行時のシミュレーションから感じること─
最終章 刑―─自傷行為を通して得られる愛あとがき
「家族不適応殺」を読もうと思ったわけ
「家族不適応殺」というタイトルに興味を持ちました。
重大事件の背景にどんな家庭事情があったのか、知りたいと思ったのが理由です。
「家族不適応殺」の内容紹介
犯人が事件を起こした理由
彼にとって、法律を厳守する刑務所こそが自分を確実に守ってくれる母であり、家庭だった。
そこにいれば、助けてくれて当たり前、かまってくれて当たり前、生かしてくれて当たり前。
自分はこの世に必要な人間なのか、生きていてもいい存在なのか。
彼にとって、それを確認できる場所は、刑務所のシステム以外になかったのである。(P.285)
犯人の小島は幼少期に家族から虐待を受けており、家が安全な居場所ではありませんでした。
幼少期に得られなかった愛情を刑務所に求め、身勝手な犯行に走ったのではないか。
著者は本の最後でそう結論づけています。
「家族不適応殺」で学んだこと
犯人のやったことは絶対に許されませんが、犯人の成育歴には同情すべき点もあると思いました。
仕事熱心な母親が犯人が愛情を求めて問題行動を起こしていると気がつかない部分に、少し鈍さを感じました。
僕も思春期の頃に母親に素直になれず、思っていることと真逆の言葉を言ってしまったことがあります。
しかし母は僕の言葉をそのままに受け取り、僕は「いやそうじゃないんだよ!(気づいてくれ)」と内心やきもきした覚えがあります。
まあ素直に伝えなかった僕が悪かったんですが…。
この本を読んで男性の求める母性(愛情)と、女性のそれに認識のずれがあるように感じました。
男性はやや屈折していて愛情を試したりするけど、女性はもっとストレートというか。
そこが親子関係の難しさなのかなと考えました。
「家族不適応殺」のまとめ
判決では事件の真実はほぼ明らかにならなかったので、この手記が事件を紐解く唯一の資料だと思います。
犯行現場の話がかなり生々しかったので、読まれる方はご注意ください。
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